2009年に惜しまれつつも休刊となった季刊誌『ザ・マジック』。この雑誌の人気コラム「そもそもプロというものは」が一冊にまとまりました。1999年から10年にわたり執筆されてきた内容に加筆・訂正が大幅に入っての単行本化です。
マジックが即物的になり、芸能としてのマジックが衰退していく状況を危惧し始められた連載。その生涯を芸にかける著者が、現代マジシャンの多くが抱える問題を鋭くえぐります。
スジ山金太郎、コザワ光、キムコの3キャラが飲み食いしながらマジック談義するというスタイルで、シリアスなテーマを冗談交じりの軽妙なタッチでつづります。
かなり深くまで踏み込んだ芸論を楽しく読み進められるよう表現するところはさすがはエンターテイナーです。厳しい意見も多く、読み手にとっては耳の痛い話もあるかと思いますが、たくさんの気付きやヒントが得られる事は間違いありません。
一般的なマジックの本・DVDでは語られることのない舞台に立つための意識や心得。プロやセミプロの方、そしてそこを目指す方はもちろん必読です。演技と言うものを真剣に考える方すべてにお薦めします。
第1話 お客さんの心持ち
第2話 マジックでホームランを打つには
第3話 水芸の芸とはなんぞや
第4話 クロースアップの生きる道
第5話 弟子になるには
第6話 種明かし
第7話 種明かしの顛末
第8話 リサイタルを開くには
第9話 和の心、蝶のこころ
第10話 スライハンドに派復権はあるか
第11話 FISM、FISMと草木もなびく
第12話 プロになるには
第13話 稼げるマジシャン